ニュース
キャンプ観光に関する世界初の国際規格が発表 中国が策定を主導
Date: 2026-10-28
このほど、国際標準化機構(ISO)は国際規格『キャンプツーリズム―キャンプ場施設およびサービスに関する要件と推奨事項』を正式に発行しました。これはキャンプツーリズム分野における世界初の国際規格であり、中国が観光宿泊業の分野で主導して策定した初の国際規格でもあります。
本規格は、単に「キャンプ場にどのような施設が必要か」を規定するにとどまりません。施設、サービス、管理、安全、持続可能性など多角的な側面から、各国が参照できる共通の規範を確立するものです。規格策定チームによると、本規格には主に5つの特徴があります。第一に、テントキャンプ、キャンピングカー(RV)利用、キャビン泊など、多様なキャンプ形態を網羅していること。第二に、施設とサービスの包括性を重視し、キャンプ場のレイアウト、衛生設備、飲料水の供給などについて規定していること。第三に、安全と緊急時対応を強調し、セキュリティや緊急事態管理を基本要件に組み込んでいること。第四に、環境に配慮した持続可能な運営を重視し、廃棄物管理、資源利用、環境への優しさに焦点を当てていること。そして第五に、包摂性(インクルーシビティ)を体現し、バリアフリーな環境を考慮することで、家族連れ、高齢者、障害を持つ旅行者など、多様なニーズに応えていることです。
全国観光標準化技術委員会の担当者は、この規格の発行には実質的な意義があると述べています。現在、キャンプツーリズムは世界的に急速な広がりを見せており、本規格の策定は市場の客観的なニーズに応えるものです。各国・地域に共通の業界指針を提供することで、キャンプ場に対し、安全確保、生態系保護、サービス品質の面で基準に準拠するよう促し、業界の質的向上と高度化を促進します。同時に、国際的なキャンプ産業間の交流において共通の「技術言語」となり、国境を越えた協力を支える役割も果たします。中国が主導して策定したことは、世界の観光標準化分野における中国の発言力と影響力を高めることにもつながりました。
提案から発行に至るまで、規格の策定には4年以上の歳月が費やされました。2022年3月に中国側から正式に提案が提出され、同年9月には予備調査プロジェクトとして承認されました。2023年6月、ISOの「観光および関連サービス」技術委員会での審議を経て、中国、ドイツ、アルゼンチンの3カ国の専門家が共同でプロジェクトリーダーを務めるという革新的な体制が採用されました。これにより、アジア、ヨーロッパ、南米という異なる地域の産業経験が取り入れられています。策定の過程において、中国および各国の専門家らは、適用範囲、技術指標の普遍性、各国における産業構造の違いといった課題について繰り返し協議を行い、国際的な修正意見101件に対して検討と回答を行いました。2024年10月、本プロジェクトは88.9%の賛成票を得て正式に採択され、最終的に12カ国の専門家の知見を結集して策定が完了しました。
中国国際貿易促進委員会(CCPIT)商業業界委員会の担当者によると、基準の策定にあたり、中国は豊富な市場での実践経験を、各国が参考にできるサービスルールへと昇華させました。中国におけるキャンプ・観光需要は多様であり、テントやキャンピングカーの持ち込みによるキャンプから、キャンプ場が宿泊施設を提供するリゾート体験まで幅広く存在します。こうした多様な形態が、基準策定における課題の発見や、解決策を検証するための実践的な基盤となりました。
業界関係者は、この基準が国内外のキャンプ場開発における「指針(ものさし)」になると見ています。重要なのは単なる模倣ではなく、各国の実情に合わせた適応です。具体的には、包括性やバリアフリー対応、環境に配慮した持続可能な運営、緊急時対応プロセスの精緻化といった側面に重点を置いて磨き上げが行われました。今後は、基準の周知・普及を図るとともに、様々なタイプのキャンプ場で試験的な導入を進め、継続的な評価メカニズムを構築することで、実践と基準が互いに高め合う好循環を生み出していく方針です。
